千石歯科通信
院長およびスタッフより歯科に関する情報を発信2018年3月21日
前回の投稿では「人は3日以内に行動の一歩を起こさなければずっとやらない」と申し上げましたが、
実際なかなか出来ないものでして…
この千石歯科通信でのアウトプットも学びから随分と時間がたったものになってしまいました。
3月4日の日曜日は全日休診させていただき、山形でご開業の佐藤勝史先生の講演に伺っておりました。
佐藤先生は特に総義歯臨床で著名な方で、今回の講演は先生の著書「This is Suction Denture!」の解説をされました。
私は研修医時代に総義歯治療で著名な矢崎秀昭先生の下で研修を受ける機会がありました。
その経験が私のその後の進路に大きく影響しています。
研修医修了後は母校総義歯学講座大学院に進学し研究、臨床に邁進しました。
そのため、今回の講演でも紹介された、フレームカットバックトレーを用いた閉口無圧概形印象採得や
ティッシュコンディショナーを応用した生理的な精密印象採得などはその頃から学び、実践しておりました。
欠損補綴をより学びたい気持ちから院卒後はインプラント専門医のもとに就職する機会も得ました。
今回の講演は、下顎総義歯の安定で最も重要な要素のひとつである「吸着」に特化した印象採得に関して解説されました。
結論から言うと、自分が最もこの分野を学んだ10年前と目指す義歯の外形やコンセプトなどには変わりはありませんでした。
大変良かった点は、・レトロモラーパッドの硬さ・頬粘膜の伸張性・顎舌骨筋窩へのデンタルミラー挿入の可否など
明確に難症例を定義されており、診断の基準が示されていました。
また、印象採得時の機能運動法や使用材料がかなり規格化されており、
個人のテクニックに頼らない確立された治療方法となっていることがわかります。
義歯臨床は現在、世界的にはCAD/CAMや3Dプリンターを用いた作製方法が確立されてきているそうです。
そういった最新の義歯作製方法も、まずは適切な診断とトレーニングを積めば誰にでもできる規格化された処置法がなければ活かされることはないでしょう。
今回の講演では私自身の総義歯臨床を改めて見直すことのできた貴重な時間となりました。
今期の私の臨床テーマのひとつは「義歯再考(最高!)」があります(^^)
今後も義歯に関する講演や講習会にはアンテナを張っていきたいと思います。
千石駅徒歩6分の歯医者
「千石ひかり歯科」院長
天野 大地